ピロリ菌と胃癌との関係
ヘリコバクター・ピロリ(以下、ピロリ菌)は長い間、胃に住みつき、胃に慢性炎症(慢性委縮性胃炎)を引き起こします。
この慢性委縮性胃炎こそが胃癌の原因であることが分かっています。
逆に、ピロリ菌がいなくて、胃内視鏡検査で慢性委縮性胃炎がなければ、胃癌になる確率は非常に少ないのです。
このことは、胃癌は細菌によって起こる癌であることを意味します。(細菌でできる唯一の癌です。)
そして、ピロリ菌の感染をなくせば、胃癌が予防できることは 誰にでも簡単に想像がつきます。
胃癌を予防するには?
しかし、ピロリ菌を除菌することで胃癌の発生を抑えることは出来ますが、除菌によって若々しく非常にきれいな胃に戻る人から、あまり戻らない人まで、人によってその程度が異なります。
すなわち、一般的には除菌は若ければ若いうちにするほど良いとされています。
ピロリ菌はいつ感染するの?
「ピロリ菌検査は毎年行った方が良いですか?」「一度除菌をしてもまた感染することがありますか?」などのご質問をよく受けます。
ピロリ菌は 抵抗力の弱い、だいたい2-3歳までの幼少期に 井戸水を介して、または親からの口移しなどで感染し、その後はずっと胃内に住み続けます。
成人では、感染することは特別な場合を除いてありませんので、ピロリ菌は一生に一度測定しておけば良い検査です。もし、ピロリ菌が胃内にいれば除菌すれば良いですし、元々いなければ一生安心です。
ピロリ菌の除菌は、自分の胃癌予防だけでなく、自分の子や孫など、幼い子供にピロリ菌を感染させることの予防にもなります。そして、子供への感染を減らすことは、胃癌を撲滅することにつながります。
ピロリ感染胃炎における除菌治療は保険診療対象です
胃癌撲滅を目的に、平成25年2月から ピロリ菌除菌の保険診療が認められるようになりました。
但し、ピロリ菌がいることの確認と 胃内視鏡検査で慢性委縮性胃炎があることが確認された場合にのみ、検査や治療に保険診療が可能となります。
皆さん、胃癌で死なないために、積極的に胃内視鏡検査を受け、慢性委縮性胃炎があれば ピロリ菌検査をして、ピロリ菌がいれば 除菌をしましょう。
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